見た目2002年05月03日 10時58分

 子供の頃、周りの大人達からよく言われた言葉があります。

『人を見た目で判断してはいけません』

 けれども、人間の外観が内面を写し出しているのも事実です。だらしない格好をしている人は精神もだらしないようですし、人相の悪い人もやはり善人ではない場合が多いようです。表情は顕著に感情をあらわします。己の外観がどうなっているのか自省しなければいけませんが、さりとて外見だけで他人を判断してもいけないと自戒してもいます。

 記者会見に足組して臨んだ、かつての三権の長がいました。なんとも情けなく見苦しい様でした。彼にはきっと自覚はなかったでしょうが、彼の内面が写し出されていて面白くもありました。自己を表現する場では、外観は大事なんですが、その認識はなかったようですね。国会に呼ばれて、己の会社の不始末を釈明した社長も声が小さく、もごもごとしていました。彼も貧相に見えましたし、とても世界的大規模企業の最高経営責任者とは思えませんでした。まるでどこかの役所のしたっぱ官吏のようでした。

 どうしてこうなんでしょうか。彼等に共通するのは内向きには配慮するが外界にむかってはなんの考慮もされない精神でしょうか。己がどう見えているのか、それを考慮できない人々が日本国を率いているのでしょうか。いいや、小生を含めて国民が彼等を生み、また支持してきた結果なんですね。

 日本人は表現が乏しいし、自己顕示が下手だと言われます。そう言われて久しいのは、『人は見た目で判断する』ことが多いという現実をわすれてしまって、『人を見た目で判断してはいけません』という言葉に己が甘えた姿なのです。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://kame.asablo.jp/blog/2005/09/09/68948/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。